ノパ听)は孤高の存在のようです


17以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:42:14 ID:zHr2NgUo0


ノパ听)「ガオー! 私は百獣の王なんだぞぉぉ!」

私は野原を駆け回る。
土を踏み締め、草を蹴り飛ばす。それはとても心地いい。


( ^ω^)「おーっ! ライオン様だお!」

('A`)「本当だ! すげー」


遠くから声が聞こえてきた。
プレーリードックとかいう動物が二匹見えた。

あれ? あいつらって、こんなところにいる動物だっけ?


ノパ听)「まあいいか!」


私は走る。世界中を駆け回るんだ!

18以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:43:02 ID:zHr2NgUo0

( ・∀・)「やっぱり格好良いよな」

ミセ*゚ー゚)リ「あのふさふさしたたてがみ! 素晴らしいわ」


ウサギが二匹。こちらを見ている。
可愛いなぁ。小さくて、ふわふわしてる。


ノパ听)「私だって負けてないけどな!」


私は女なのに、なぜかたてがみがある。
でも気にしない! だって、綺麗だろ?
気にする必要なんてないじゃないか。


( ・∀・)「早いなぁ」

ミセ*゚ー゚)リ「私達なんかじゃ、とてもじゃないけど追いつけないわね」


ノパ听)「…………」

19以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:43:42 ID:zHr2NgUo0

空はまだまだ青い。
だから私は走り続ける。

空から声が聞こえた。


(,,゚Д゚)「力強い走りだな!」

(*゚ー゚) 「でも私達の方が華麗よ」


ああ。そうかもしれない。
でも、空を飛ぶ鷹と、地を駆ける私。
比べるのは無粋だ。


ノパ听)「私だって華麗だぞぉぉ!」


空を飛ぶのも気持ちいいだろうが、こうやって走るのも悪くない。
一歩、地面を踏みしめるごとに、風が私の体を撫でる。

このまま走っていれば、風になれる気さえしてくる。
彼らはどんな風に空を飛ぶのだろうか。

20以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:44:34 ID:zHr2NgUo0

いくら走っても疲れはしない。


( ´_ゝ`)「お、見てみろ」

l从・∀・ノ!リ人「ライオン様なのじゃー」

(´<_` )「風格があるよな」


狼の兄弟がいた。
凛として格好いい。まあ、私の方が格好いいけど。


l从・∀・ノ!リ人「でも、一匹なのじゃー」


ノパ听)「え?」


( ´_ゝ`)「そうだな」

(´<_` )「オレ達は家族で一緒だもんな」



22以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:45:28 ID:zHr2NgUo0

一匹?
私は?




( ^ω^) ('A`)

( ・∀・) ミセ*゚ー゚)リ

(,,゚Д゚)  (*゚ー゚)




ノパ听)「あ、本当だ」



気づいた。
寂しいなぁ。
悲しいなぁ。



24以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:46:09 ID:zHr2NgUo0


足を止めた。

空はオレンジ色だ。
家に帰らないと。


ノパ听)「…………」


でも、私は独りぼっちだ。


風が私を撫でる。
とても寂しい。


( ´_ゝ`)「ほら。早く帰るぞ」


ノパ听)「え?」


気づくと、狼が私の隣にいた。

25以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:46:58 ID:zHr2NgUo0


(´<_` )「孤高の存在なんて、今時流行らんしな」

l从・∀・ノ!リ人「帰るのじゃ!」


暖かい風が私の背中を押してくれる。


ノパ听)「帰っていいのか?」


( ´_ゝ`)「当たり前じゃないか」

(´<_` )「何を言ってるんだ」

l从・∀・ノ!リ人「ぐだぐだ言ってないで、帰るのじゃ!」



冷たくなった土を踏み、歩き出す。

26以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:47:40 ID:zHr2NgUo0




ノハ--)「んっ……」


心地よい風に揺られた髪が私の頬を撫でた。


l从・∀・ノ!リ人「あー。起きたのじゃ!」

( ´_ゝ`)「おっ。おはよう」

(´<_` )「ぐっすりだったな」


ノパ听)「……?」


( ^ω^)「おっ? ヒート起きたのかお?」

('A`)「んじゃ、とっとと帰ろうぜ」



ノパ听)「何でみんながいるんだ?」

27以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:48:46 ID:zHr2NgUo0

( ・∀・)「何を言ってるんだい?」

ミセ*゚ー゚)リ「みんなで帰ろうって約束」

(,,゚Д゚)「いや、約束はしてないだろ」

(*゚ー゚) 「ギコ君! しっー」


ノパ听)「?」


何を言っているのだろう。
私はいつものように図書室にきて、本を読んでたはずだ。

いつも格好良くて、みんなから尊敬の眼差しでみられている。
そんなライオンの物語が私は好きなんだ。


( ´_ゝ`)「まあ、たまにはいいだろ?」

(´<_` )「せっかく、同じ班になったんだし」

l从・∀・ノ!リ人「妹者はつきそいなのじゃ!」

28以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:49:30 ID:zHr2NgUo0

ぼんやりしていた頭が働き出す。

そうだ。
彼らは同じクラスで、今度一緒に自由研究をする班のメンバーだ。

でも、私は上手く彼らと話すことができなくて。


( ^ω^)「一緒に帰るお!」

ノパ听)「でも、本を読みたいんだ」

('A`)「なら待ってるよ」

( ・∀・)「それなら一緒に帰れるね」

ミセ*゚ー゚)リ「私も何かいい本探そうっと!」

(,,゚Д゚)「オレ本って苦手なんだよなぁ」

(*゚ー゚) 「ギコ君向けの本もあるわよ」



30以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:50:13 ID:zHr2NgUo0

('、`*川「はい、そこ! もう閉館の時間ですよー」


( ´_ゝ`)「はーい」

(´<_` )「んじゃ帰りますか」


似た顔が微笑む。
夢のシーンと重なった。



ノパ听)「…………帰るんだぞ!」

31以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/05/04(火) 02:50:54 ID:zHr2NgUo0


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